月刊アフタヌーン / 通常連載

HUMAN LOST 人間失格

『HUMAN LOST 人間失格』は、月刊アフタヌーンの作品として記録されている漫画です。出版社は講談社。作者(作画)は髙城隆介。原作者などは未登録です。連載期間は2019年8月号 - 2019年12月号。全1巻。全5話。

あらすじ・ネタバレ

医療技術が進歩し、体内ナノマシンと管理ネットワークによって病気やけがが克服された2036年。平均寿命120年を実現した社会の内側では富裕層が暮らす一方、環状16号線の外側には大気汚染と貧困が広がっていた。薬物に依存して暮らす大庭葉藏は、暴走集団を率いる堀木正雄とともに内側へ侵入し、異形化した「ロスト」と遭遇する。対ロスト組織H.I.L.A.M.に属する柊美子に救われた葉藏は、自分にも人間離れした力があると知る。文明再生を望む者と破壊を望む者の対立の中、死から逃げられなくなった葉藏は、社会が定めた「人間合格」の基準を揺さぶる存在へ変貌していく。

豆知識・雑学・よくある質問

太宰治の小説『人間失格』と同じ大庭葉藏の名を用いるが、物語は近未来SFとして大きく再構成されている。作中のS.H.E.L.L.は、体内のナノマシンをネットワークで管理し、長寿と健康を保証する社会システムである。その恩恵から外れた人々が「ヒューマン・ロスト」と呼ばれる変形を起こす設定は、医療の進歩が全員を救うとは限らないという問題を可視化する。環状7号線内と環状16号線外という空間の分断は、技術格差と階級格差を地理的な構造として表現している。

読者の感想・考察まとめ

「人間失格」という言葉を、個人の道徳的な失敗ではなく、社会のシステムから切り離された人間に貼られる判定として読み替えている点が面白い。寿命が延び、死を遠ざけた社会は一見理想的だが、貧困や環境汚染、倫理の空洞化を解決できていない。葉藏は怠惰で破滅的な人物に見えながら、管理された幸福に適応できない人々の痛みを引き受ける。堀木の破壊衝動と柊の再生への願いの間で揺れる葉藏の選択は、文明を残すことと人間らしく生きることが同じではないと問いかける。

読み方・略称・英題

ヒューマンロスト にんげんしっかく / HUMAN LOST

備考

※短期集中連載

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