月刊アフタヌーン / 通常連載

青野くんに触りたいから死にたい

『青野くんに触りたいから死にたい』は、月刊アフタヌーンの通常作品として記録されている漫画です。出版社は講談社。作者(作画)は椎名うみ。連載期間は2017年2月号 - 2025年12月号。

あらすじ・ネタバレ

高校生の刈谷優里は、付き合い始めたばかりの青野龍平を心から好きになる。ところが青野は突然事故で亡くなり、優里は絶望のあまり後を追おうとする。その前に現れた青野は幽霊となっており、触れることのできない恋人として優里のそばに戻ってくる。再会の喜びは長く続かず、青野の霊には通常の優しい人格とは異なる「黒青野」が現れ、優里への執着や破壊的な衝動をむき出しにする。優里は青野を恐れながらも離れられず、生前の親友・藤本やホラーに詳しい堀江とともに、青野の死と二つの人格の謎に向き合う。恋愛の幸福感と、死者をつなぎ止めたい欲望の危うさが同時に描かれる、ホラー要素の強い恋愛作品である。

豆知識・雑学・よくある質問

タイトルの「触りたい」は、恋人に触れたいという日常的な願いと、幽霊になった青野には触れられないという物理的な障害を重ねたもの。さらに青野の霊は白い状態と黒い状態で印象が大きく変わり、単純な守護霊や理想の恋人としては描かれない。生前の青野を知る藤本、映画や怪異に詳しい堀江、優里という立場の異なる人物が関わることで、怪異を恋人二人だけの問題に閉じ込めない構成になっている。恋愛漫画の距離感を、接触できるかどうかというホラーのルールに置き換えている点も本作の特徴である。

読者の感想・考察まとめ

青野が幽霊になっても優里の恋心が消えないことは純愛に見える一方、死者を現世に留めることが本当に相手のためなのかという疑問を生む。黒青野は、青野の悪意というより、死や孤独への恐怖、優里を失いたくない欲望が分離して現れた存在とも解釈できる。優里もまた「かわいそうな恋人を救う側」に固定されず、青野を愛することと自分の安全を守ることの間で揺れる。恋愛感情を美化せず、依存・境界線・喪失の受け入れまで描くため、読者が青野を愛すべき存在とも恐ろしい存在とも一つに決めきれない余韻が残る。

読み方・略称・英題

あおのくんにさわりたいからしにたい / 青野くん

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