週刊少年マガジン / 通常連載

江戸忍稼業 もののて

『江戸忍稼業 もののて』は、週刊少年マガジンの年別掲載作品一覧作品として記録されている漫画です。出版社は講談社。作者(作画)は宮島礼吏。原作者などは-です。連載期間は2016年37・38合併号 - 2017年2・3合併号

あらすじ・ネタバレ

江戸の町を舞台に、特殊な手を持つ忍びの青年・皆焼(かいやき)が裏稼業に挑む忍者アクションです。 その手は幼い頃から周囲の好奇の目にさらされ、本人にとっては誇りよりも先に劣等感を呼び起こすものでした。 しかし忍びの世界では、その異形の手こそが誰にも真似できない武器になります。 指を鉤爪のように使い、相手の意表を突く近接攻撃を繰り出す技は、普通の剣士や刺客にはない不気味さと迫力を備えています。 江戸では「もののて」という人間が鋭い爪で人を殺すという噂が流れ、怪談めいた存在として恐れられていますが、その正体は皆焼です。 そんな皆焼の前に現れるのが、医者を目指して学ぶ少女・おこたです。 人の命を救いたいと願うおこたと、任務のためなら人を傷つける覚悟を求められる皆焼は、価値観が大きく異なります。 それでも彼女は皆焼の手を恐れるだけでなく、その人自身を見ようとします。 皆焼にとって、おこたの言葉は、自分の特徴を呪いではなく生き方の一部として受け入れるきっかけになっていきます。 戦闘では、熊の爪を思わせる「熊爪」や、体の向きと手の使い方を錯覚させる「匿角」など、異形の手を活かした技が登場し、忍者らしい奇襲と読み合いが展開されます。 力任せの剣豪勝負ではなく、暗がり、狭い路地、屋根、物陰といった江戸の空間そのものを利用する戦い方が魅力です。 一方で本作は、任務をこなす凄腕の忍びを描くだけではありません。 人と違う身体を持つ者が、恐れや偏見を抱えながら他者との関係を築く物語でもあります。 血なまぐさい裏稼業と、おこたとの静かな交流が対照をなし、皆焼が自分の手で何をつかむのかを見守りたくなる作品です。 皆焼の任務には、単純な善悪では割り切れない依頼や、守る相手を疑わなければならない局面も生じます。 忍びとしての冷静さと、一人の人間として生まれる情の間で揺れる姿が、異形の手をめぐる設定に深みを与えています。

豆知識・雑学・よくある質問

皆焼は左右の手が通常とは逆向きについたように見える、きわめて珍しい身体的特徴を持っています。 彼は目立つことを避けながら、権力者や依頼人から命じられた潜入、探索、護衛などの仕事を請け負い、表の町人社会とは別の緊張に満ちた江戸を歩きます。

読者の感想・考察まとめ

江戸の町を舞台にした忍びの仕事では、正面から戦う力だけでなく、身分を隠す変装、町人からの聞き込み、地形や夜の闇を利用する知恵が重要になる。依頼を受けて動く忍びは、主君や依頼人の命令と、現場で出会う人々の事情の間で判断を迫られる。任務を成功させるほど、誰のために技を使うのかという倫理が浮かび上がる時代活劇である。

読み方・略称・英題

えどしのびかぎょう もののて

備考

『マガジンポケット』に移籍

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