月刊アフタヌーン / 通常連載

すずめの戸締まり

『すずめの戸締まり』は、月刊アフタヌーンの通常連載作品として記録されている漫画です。出版社は講談社。作者(作画)は甘島伝記/新海誠。連載期間は2022年12月号 - 2024年2月号。

あらすじ・ネタバレ

九州で暮らす女子高校生の岩戸鈴芽は、扉を探しているという青年・宗像草太と出会い、山中の廃墟へ導かれる。そこに立つ不思議な扉を開けたことで、災いを引き起こす「後ろ戸」と、それを閉じる閉じ師の役目を知る。草太は災厄を封じる要石にされ、鈴芽は猫の姿になった要石・ダイジンとともに、扉から漏れ出す巨大な地震の力を止める旅へ出る。廃校、遊園地、温泉街など、かつて人が暮らしていた場所を巡りながら、鈴芽は扉の向こうに残る人々の記憶と向き合う。旅の終着点は鈴芽自身が幼い頃に被災した東北であり、過去の喪失を見つめ直し、草太を救うため最後の戸締まりに挑む。

豆知識・雑学・よくある質問

「戸締まり」は単に扉を閉めて鍵をかける行為ではなく、人がいなくなった場所へ感謝を伝え、災いを現世へ出さないための儀式として描かれる。後ろ戸の向こうには、かつて暮らしていた人々の声や記憶が残り、廃墟がただの空き家ではなく生活の痕跡として扱われる。物語に登場する要石、ミミズ、閉じ師は日本の地震観や民間伝承を思わせるモチーフだが、作品独自のファンタジーとして構成されている。鈴芽が各地を旅するロードムービー形式にすることで、災害を一地域の出来事に限定せず、日本各地の喪失と再生を描いている。

読者の感想・考察まとめ

鈴芽の旅は、草太を救う冒険であると同時に、幼い自分が失った故郷と母親の記憶へ戻る旅でもある。廃墟の扉を閉めるときに鈴芽が発する言葉は、建物や土地を消費するのではなく、そこに暮らした人々の時間を認める行為になっている。ダイジンの無邪気な振る舞いも、災厄を生む存在を単純な悪役にせず、役割を押しつけられた存在の孤独を見せる。最終的に災害を完全になかったことにはできないが、誰かと記憶を分かち合い、これから生きる選択をすることはできる。喪失を忘れるのではなく、抱えたまま前へ進む再生の物語として読める。

読み方・略称・英題

すずめのとじまり / Suzume

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