2020年代 前半 / 全12話

薔薇王の葬列

『薔薇王の葬列』は、2020年代 前半のテレビアニメ作品として記録されているアニメです。制作会社はJ.C.STAFF。主放送局・系列はTOKYO MXほか。放送期間は2022年1月9日 - 3月27日。話数は全12話です。

あらすじ・ネタバレ

中世イングランドの薔薇戦争を背景に、ヨーク家の王子リチャードは、自分が男女双方の身体的特徴を持つことを隠しながら生きている。母ヨーク公爵夫人から愛されず、父や兄弟の期待にも縛られたリチャードは、王位を得ることが自分の存在を認めさせる道だと思い詰める。ランカスター家のヘンリーやその母マーガレット、ヨーク家のエドワード、戦場で出会うヘンリー・スタフォードらとの関係は、敵味方、友情、恋慕、政治的利用の境界を曖昧にする。王座をめぐる戦争が進むほど、リチャードの身体と心の秘密、血筋への執着、愛されたい願いが悲劇的な選択へ結びついていく。

豆知識・雑学・よくある質問

豆知識として、作品はシェイクスピアの史劇や薔薇戦争の歴史を下敷きにしながら、史実をそのまま再現するのではなく、ゴシックな人物ドラマとして再構成している。白いヨーク家と赤いランカスター家の対立は王位継承争いであると同時に、家族が子どもを政治の道具として扱う構造でもある。よくある質問ではリチャードの性別の秘密が物語のすべてなのかと思われるが、それは他者から見られる身体と、自分がどう生きたいかの葛藤を強める要素であり、戦争、母子関係、愛情と支配の問題と結びついている。舞台劇のような独白や象徴的な薔薇の表現も印象的である。

視聴者の感想・考察まとめ

考察・感想としては、リチャードが望むのは単純な王位ではなく、「この身体のままでも存在してよい」と認められる場所なのだろう。しかし王位や権力を手に入れるほど、他人を犠牲にしてでも自分を証明する必要が生まれ、愛情を求める行動が支配へ変わってしまう。リチャードを怪物として扱う周囲の視線は、本人の孤独を深める一方、彼自身も相手を目的のために利用することで悲劇を繰り返す。戦争の勝敗より、家族に愛されなかった者が愛を求める方法を誤り続けることが物語の痛みであり、歴史劇と幻想的な心理劇が重なる作品である。

読み方・略称・英題

薔薇王の葬列、ばらおうのそうれつ、Requiem of the Rose King

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